どんな職業か
法律の専門知識を活かして民事事件、刑事事件を扱い、依頼者の利益を守り紛争を解決する活動、刑事事件の被告人等の弁護活動等を行う。 民事事件は、金銭の貸借、不動産の賃貸借、売買、交通事故、欠陥住宅や医療過誤などの普段の生活の中で起こる争いごとのほか、離婚や相続などの家事事件、商事事件、労働事件、行政事件などを含む。弁護士は、これらの事件について、依頼者の立場にたって「法的に守られるべき利益は何か」を模索し、依頼者の正当な利益を実現して紛争を解決するために活動する。具体的には、法律相談、和解・示談交渉、訴訟活動や行政庁に対する不服申立てといった法律事務などを行っている。 刑事事件は、罪を犯した疑いのある人(裁判所に起訴される前は被疑者、起訴された後は被告人という)の捜査や裁判に関する事件をいう。弁護士は、刑事事件において、弁護人として被疑者や被告人の弁護活動を行っている。 多くの人が被疑者や被告人が犯罪を行ったと思っている状況でも、本当にその人が犯罪を行ったとは限らないため、無罪の可能性を追求し、えん罪を防止する弁護士の役割が必要となる。行き過ぎた刑罰が科されたり、違法な手続が見逃されたりしないようにするためにも、弁護士は、被疑者や被告人の立場から意見を述べ、証拠を提出する役割を担っている。 また、社会の国際化に伴い、国内外における人権問題や、海外との契約や紛争など諸外国に跨がる法律問題も増えており、国際的な人権擁護活動、企業の海外展開支援、国際的取引の交渉などの国際業務も、弁護士の重要な役割の一つとなっている。 弁護士法では、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と規定している。弁護士は、法廷活動、紛争予防活動、人権擁護活動、立法や制度の運用改善に関与する活動、企業や地方公共団体などの組織内での活動など、社会生活のあらゆる分野で活動している。このような弁護士の活動の一つ一つが、人権擁護と社会正義の実現につながっている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.9 | 11 / 498 | 上位2% |
| 読解力 | 5.7 | 11 / 498 | 上位2% |
| 文章力 | 5.7 | 10 / 498 | 上位2% |
| 説明力 | 5.6 | 7 / 498 | 上位1% |
| 交渉 | 5.6 | 3 / 498 | 上位1% |
| 説得 | 5.5 | 7 / 498 | 上位1% |
| 論理と推論(批判的思考) | 5.2 | 16 / 498 | 上位3% |
| 他者との調整 | 5.0 | 11 / 498 | 上位2% |
| 複雑な問題解決 | 4.9 | 6 / 498 | 上位1% |
| 他者の反応の理解 | 4.9 | 21 / 498 | 上位4% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 法律学、政治学 | 4.7 | 4 / 508 | 上位1% |
| 事務処理 | 3.5 | 11 / 508 | 上位2% |
| 顧客サービス・対人サービス | 3.3 | 35 / 508 | 上位7% |
| 日本語の語彙・文法 | 3.2 | 27 / 508 | 上位5% |
| ビジネスと経営 | 2.4 | 28 / 508 | 上位6% |
| 人事労務管理 | 2.3 | 19 / 508 | 上位4% |
| 経済学・会計学 | 2.1 | 36 / 508 | 上位7% |
| 販売・マーケティング | 1.9 | 112 / 508 | 上位22% |
| 社会学 | 1.9 | 51 / 508 | 上位10% |
| 心理学 | 1.9 | 89 / 508 | 上位18% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 記述表現 | 4.0 | 12 / 426 | 上位3% |
| 記述理解 | 3.9 | 12 / 426 | 上位3% |
| 発話表現 | 3.9 | 17 / 426 | 上位4% |
| 発話理解 | 3.8 | 16 / 426 | 上位4% |
| 演繹的推論 | 3.8 | 6 / 426 | 上位1% |
| 帰納的推論 | 3.8 | 5 / 426 | 上位1% |
| トラブルの察知 | 3.7 | 59 / 426 | 上位14% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 3.5 | 5 / 426 | 上位1% |
| 記憶力 | 3.3 | 28 / 426 | 上位7% |
| マルチタスク | 3.3 | 30 / 426 | 上位7% |
仕事内容
- 裁判や手続きの際に、依頼者の代理人(民事・行政裁判)または弁護人(刑事裁判)の役割を果たす。
- 民事訴訟で当事者からの依頼を受け、訴訟の提起、調停や異議の申し立てなどを、代理人として行う。
- 法廷で依頼人の利益が守られるよう、意見陳述、証拠提出、口頭弁論などの弁護活動を行う。
- 刑事訴訟で被告人や被疑者の弁護人として法廷での弁護活動を行う。
- 少年審判における少年の付添人として法廷での弁護活動を行う。
- 拘留中の被告人との接見や連絡、保釈や証拠保全の請求をする。
- 訴訟に関係する証人への出張尋問、事件現場での鑑定の立会いなどの法廷外での活動を行う。
- 判決や決定に対して依頼人に不服がある場合には、上級裁判所への控訴や上告の手続きをする。
- 裁判所が和解の勧告をした場合には、そのための交渉をする。
- 法廷で争わず、当事者間で解決する示談交渉をする。
- 法律相談に応じ、契約や意思表示について法的見地から助言する。
- 法律に則した契約書・遺言書の作成などの事務業務を行う。
- 成年被後見人の後見人として、財産管理をする。
- 企業法務を担当し、株主総会の運営の指導や助言をする。
- 企業の事業再生のために、法的手続きの申し立てを行う。
- 裁判所から選任された管財人として破産した企業の建て直しをする。
- 国や地方自治体の行政施策に対して、依頼を受けて指導および助言をする。
- 医療過誤に関する相談・依頼を受け、訴訟等の手続きを行う。
- 企業のM&Aに関する助言や、書類作成や交渉の援助を行う。
- 相続財産管理人として、財産を換価し、縁故者や国庫に帰属させる。
- 法律に関する講演を行う。
- 法律書や法律雑誌記事を執筆する。
- 弁護士会の委員活動を行う。
なるには
法科大学院に入学し、3年若しくは2年間勉強し、司法試験に合格、司法修習生として研修を受けた上で、日弁連の弁護士名簿に登録されると弁護士となることができる。なお、法科大学院に通えない人も、予備試験に合格できれば司法試験を受験することが可能である。司法修習では、全国各地の裁判所、検察庁、法律事務所で実務を学ぶ。 弁護士は、全国に52会ある弁護士会及び日本弁護士連合会の登録に関する審査を経て、弁護士名簿に登録されることによって弁護士としてスタートを切ることになる。新人弁護士は法律事務所に勤め、先輩の仕事を手伝いながら勉強していくことが多い。 法科大学院は、新しい法曹養成制度の中核とされており、多様な経験や能力を持った法曹を生み出すなど一定の成果を上げている一方、法科大学院志願者の減少、法科大学院ごとの教育格差等、さまざまな課題があるとも指摘されている。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.4 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
| 高卒 | 0 |
関連する資格
- 司法試験
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
弁護士の多くは法律事務所に所属し、民事事件や刑事事件に取り組んでいるが、企業や、国や地方公共団体、国際機関等で働く弁護士、国会議員や地方議会議員を務める弁護士も増えている。さまざまな組織の中で働く弁護⼠が増加しているが、この場合、待遇は所属する組織の規定等による。また自ら事務所を立ち上げ独立する弁護士もいる。 弁護士の仕事は、例えば1つの事件のために法廷に出るためだけでも、事前に十分な準備が必要であり、書類の作成にも時間を要する。また、依頼者や被疑者などと面談する場合、休日や夜遅くに出向くこともある。一方で、勤務時間や休日は自分で設定することができ、定年もないので、自分自身で柔軟に仕事の内容と量をコントロールすることができるという弁護士も多い。 弁護士全体に占める女性割合は漸増しており、2024年に20%を超えた(2024年3月時点*)。 専門職として法律の知識を活かしながら、様々な働き方や職場を選択でき、活躍できる領域を広げられることも、弁護士という職業の特色である。 *日本弁護士連合会、弁護士白書 2024年版
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 検察官近さ 0.863
- 裁判官近さ 0.860
- 人事コンサルタント近さ 0.833
- 企業法務担当近さ 0.800
- 社会保険労務士近さ 0.795
- ファイナンシャル・プランナー近さ 0.791
- 行政書士近さ 0.760
- IR広報担当近さ 0.750
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)