どんな職業か
行動科学等の専門的な知見や技法を活用して、家庭内の紛争解決や非行少年の立ち直りに向けた調査活動を行う。 家庭裁判所は、夫婦や親族間の争いなどの家庭に関する問題を調停・審判・訴訟などによって解決するほか、非行を起こした少年などについて処分を決定する。いずれも法律的な解決を図るだけでなく、事件の背後にある人間関係や環境を考慮した解決が求められる。家庭裁判所調査官は、このような観点から、家庭裁判所において、裁判官や書記官と一緒にチームを組んで協力し合い、心理学、社会学、教育学、社会福祉学といった行動科学等の専門的な知見や技法を活用して、紛争解決や立ち直りに向けた調査活動を行う。 離婚、子どもの親権・監護権をめぐる争い、後見人の選任、養子縁組の許可などがある家事事件では、家庭裁判所調査官は、例えば、離婚の調停手続において、両親が親権を争っている場合には、親子の交流の様子を観察したり、子どもと面接したりして、子どもの思いを調停委員や両親に伝えたり、子どもの福祉を優先した解決について裁判官に意見を提出する。また、当事者間で食い違い、合意のあっせんが難しい場合などに、当事者と面接し、それぞれの気持ちを受け止めながら客観的な事実を確認して整理し、その結果をもとに調停の進め方について裁判官に意見を提出する。 非行を起こした少年などについて処分を決定する少年事件では、家庭裁判所調査官は、少年がなぜ非行を起こしたのかを分析し、どうすれば立ち直ることができるのかを検討するため、少年の性格、日頃の行動、生育歴、少年を取り巻く環境などを調査し、その結果を書面にまとめて裁判官に報告する。試験観察という決定がされた場合には、その間に少年や保護者と定期的に面接することもある。 家庭裁判所調査官は、裁判官や書記官と一緒にチームを組んで協力し合い、家庭裁判所の適正、迅速な審理を支えている。また、学校や児童相談所などの関係機関とも連携したりして、少年や当事者が抱えている問題の解決を目指している。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 6.7 | 3 / 498 | 上位1% |
| 他者の反応の理解 | 6.3 | 3 / 498 | 上位1% |
| 文章力 | 5.8 | 7 / 498 | 上位1% |
| 説明力 | 5.7 | 3 / 498 | 上位1% |
| 説得 | 5.7 | 4 / 498 | 上位1% |
| 読解力 | 5.7 | 14 / 498 | 上位3% |
| 論理と推論(批判的思考) | 5.5 | 4 / 498 | 上位1% |
| 対人援助サービス | 5.5 | 4 / 498 | 上位1% |
| 他者との調整 | 5.2 | 5 / 498 | 上位1% |
| 交渉 | 5.0 | 8 / 498 | 上位2% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 心理学 | 5.0 | 2 / 508 | 上位1% |
| 法律学、政治学 | 4.8 | 3 / 508 | 上位1% |
| 社会学 | 4.7 | 1 / 508 | 上位1% |
| セラピーとカウンセリング | 4.6 | 2 / 508 | 上位1% |
| 日本語の語彙・文法 | 4.3 | 5 / 508 | 上位1% |
| 医学・歯学 | 3.6 | 29 / 508 | 上位6% |
| 教育訓練 | 3.6 | 3 / 508 | 上位1% |
| 事務処理 | 3.5 | 10 / 508 | 上位2% |
| 人事労務管理 | 2.1 | 33 / 508 | 上位6% |
| ビジネスと経営 | 2.1 | 58 / 508 | 上位11% |
なるには
裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補、院卒者区分・大卒程度区分)に合格する必要がある。受験資格として、院卒者区分、大卒程度区分はいずれも30歳未満という制限がある。試験は2次試験まである。 家庭裁判所調査官補として採用されると、裁判所職員総合研修所と配属先の家庭裁判所で研修(約2年)を受け、修了すると調査官に任命される。 研修所では講義や演習などの合同研修を受け、更に家庭裁判所では指導担当の主任家裁調査官から、事件処理その他調査実務全般にわたる教育訓練を受ける。 事実の調査や人間関係の調整など、家庭裁判所の専門的な仕事に従事するため、心理学等に関する専門的知識や技法と法学の知識、そしてそれらを高めるための不断の自己研鑽が求められる。また、裁判所職員としての高い倫理性や使命感、関係機関の職員として協力して執務できる柔軟さや協調性も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.8 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0 |
| 高卒 | 0 |
| 専門学校卒 | 0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
全国にある家庭裁判所の本庁と主要な支部に勤務する。数年ごとに全国的な転勤がある。身分は、裁判所職員という特別職の国家公務員で、定員は1598人(2022年現在)。 給料、休日、勤務時間など労働条件は、一般の国家公務員とほぼ同じである。 採用されている職員に占める女性の割合は約8割となっている(2025年度試験結果*)。 経済や文化の国際化、経済事情の変動、国民の意識や価値観の多様化などにより、家族のあり方やこれに関する価値観、青少年を取り巻く社会状況や教育環境なども著しく変化している。このような社会の動きを反映して、家庭裁判所に持ち込まれる家事事件や少年事件も複雑かつ深刻なものが増加しており、夫婦・親子等の関係をめぐる人事訴訟も扱うようになったことから、家庭裁判所調査官の果たす役割も、一層重要となっている。 *裁判所 令和7年度実施結果 総合職試験(家庭裁判所調査官補)
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 法務技官(心理)(矯正心理専門職)近さ 0.924
- 児童相談所相談員近さ 0.880
- 検察官近さ 0.856
- 医療ソーシャルワーカー近さ 0.848
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.840
- スクールカウンセラー近さ 0.830
- 福祉ソーシャルワーカー近さ 0.827
- 児童発達支援管理責任者近さ 0.806
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)